農園だより 2021年3月号
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農園だより 2021年3月号

自家製のもち米でお餅を作りました。

 

大切にしている行事ごとの一つが、旧正月に行うお餅つきです。ことしも2月中旬に、農園のみんなでお餅つきをしました。薪釜でもち米を蒸し、石臼を使ってペッタンペッタンとつきます。丸餅だけではなく、ナマコ型に成形したもちを薄く切る「かきもち」もこしらえるのが当園の慣わし。今年は、いつもより収穫ができた当園のもち米を使いました。品種は、初代・福岡正信が開発した、「ハッピーヒル」です。ハッピーヒルは、日本語にすると「福岡」。自分の名をつけるぐらいだから、きっと自信作だったのでしょう。甘みとうま味が詰まったつきたての丸餅をぱくりといただく。平和で幸せな時間です。かきもちはその昔から、寒いこの時期の保存食用に作っていたもの。たくさん作って大きな缶に保存し、少しずつ焼いて食べるのが冬のおやつでした。今でも、作業場に薪をくべる冬の一時期、その熱でかきもちを焼いてみんなで熱々をほおばります。そんな、ささやかだけれどぜいたくな冬の風物詩をずっと残していきたいですね。