百姓の嫁 便り|大根の美味しい季節!
  • 徒然日記

百姓の嫁 便り|大根の美味しい季節!

例年より少し遅れていますが、スクスクと育ち、ツヤツヤとした白い肌を見せています。

そんな大根たちが集う私達の農園で、まだ大きくなっていない若木の柑橘畑へ大根、小松菜、高菜など野菜の種を混ぜてはパラパラと直に投げ撒きしています。 そしてそれらはいずれ、野菜たち自身のリズムを考えて、自らの力で芽を出し育ってくれます。

 

冬の頃、野菜たちが芽を出し始めると私は一人で、広い畑の中を宝探しのごとく、あっちへウロウロ、こっちへウロウロと野菜を探し回わります。 そんな姿を近所の方が家の2階から見つけては、”寒いのに頑張ってるね~!”と声をかけてくれるのです。 “は~い!”と大根片手に手を振り返す日常が、なんだか冬の風物詩のようになってきた今日この頃です。

百姓の嫁 便り|大根の美味しい季節!

 

また、愛らしい小松菜の葉っぱや元気な大根葉を見つけては、心の中で「ヤッタ!」と小さくガッツポーズ! ですが……!!! ワクワクした気持ちとは裏腹に、とにかく時間がかかるんです。 整理整頓された野菜畑の収穫とは異なり、広い柑橘畑で食べ頃の野菜を探し回ることは、倍以上の時間を要します。

 

ただ、そのように畑をウロウロしている時に限って、ふと「合理的とはなんぞや!?」という思いが必ず脳裏に浮かぶのです。 色々なものを分割し合理性を重視してきたこの世の中で、なんとまぁ~逆行した作業をしてるのだろうかと思う反面、それでもやっぱり農業は楽しいという気持ちで胸が躍ります。

 

百姓の嫁 便り|大根の美味しい季節!

 

目先の損得勘定で何かを重視するのは違うのだなと、嫁に来て早十数年、しみじみと感じながら「それで良かった!」と、のんびり屋の私はいまの居心地の良さに感謝しています。

 

『垣根なく、色々なものが共存する』 日々の中で、畑と向き合い農園の人々と関わり合う時にでも絶えず重視してきたことなのかなと、”ちょっぴり”分かった気になりながら、今日もまた柑橘畑をあっちへウロウロ、こっちへウロウロとワクワクを抱きながら、歩き回っております。

 

百姓の嫁 福岡晶子