自然の発酵力でつくる新しい柑橘の果実酒

当園の果実のもつ自然の発酵力だけで作った『柑橘の果実酒』。
果実それぞれの特徴を活かせるよう、非加熱・無濾過で仕上げた自然派のお酒です。2021年柑橘MIXはグレープフルーツ、文旦、伊予柑の3種類を贅沢に使用しています。それぞれの個性が混ざり合い、爽快な香りと程よい酸味を生み出しています。食事にも合いやすいスッキリとした飲み口に仕上がりました。

実った果実を余すところなく皆さまにお届けしたい

当園では、30種類以上の柑橘を栽培しています。柑橘は隔年で豊作になり、年によっては大豊作になる時があります。当園でも既存のお客様だけでは販売しきれないほどの量が実ります。

そのような時は皆さまにお届けできなかった果実は土に返すのですが、沢山実ってくれた果実を無駄にせず、より多くの人に食してもらう方法として、果実酒の加工を取り組み始めました。古くから人びとの生活とともにあった醸造は食品の長期保存を可能にし、新しい物へと作り変える素晴らしい知恵のひとつ。いままで当園のことを知らなかった方にも飲んでいただければと思います。

自然栽培の柑橘と、世界的な自然派ワインの醸造家だからこそできた味わい。

自然農法で50年育ててきた当園の柑橘は、その年の気候の変化を受けながら、年ごとの香りや味わいをみせてくれます。その「力強い果実の個性を反映できる方法は」と考えた際、自然派ワインの醸造法に辿り着き、世界的な醸造家 大岡弘武 氏にお願いしました。

大岡氏は本場フランスで20年近く自然派ワインを手がけた第一人者。現在は岡山県でワイナリーを設立し、ブドウの栽培を行われています。そんな大岡氏も、初代農園主である正信が実践してきた考え方に共感してくださっているおひとり。自然農の哲学を理解している大岡氏だからこそ、果実がもつ自然の力を存分に引き出し、果実酒の中に表現することができます。

また、愛媛と瀬戸内の穏やかな気候が似ている岡山県で醸造することは、その年ごとの柑橘の味を反映させるためにも良い環境になっています。

「自然派ワイン」とは

「自然派ワイン」に明確な定義は存在しませんが、一般的には次のような基準があげられます。

・有機農法や自然農法で栽培された果実を原料とする

・亜硫酸を使用しない、もしくは微量の使用

・天然酵母により発酵

・非加熱

・無濾過

※一般的に流通している「無添加ワイン」とは、亜硫酸を使用せず、加熱滅菌を行い、フィルターで澱や酒石を取り除いたものを指しており、自然派ワインとは異なります。

「こだわりの製造法」

果実を十分に冷やしたのち、一つ一つ手しぼりで搾汁しています。全ての工程において、人為的・化学的な工程を醸造に極力反映させないよう、充填もポンプなどは使用せず、重力の力で行います。非加熱、無濾過、亜硝酸も一切使用せず酵母の発酵力だけでできた果実酒は、私たちの農法と通じる、余計なもの、不要なエネルギーを加えない手法で作り上げたことで、鋭く的確に果実の“生い立ち”を感じとり、果実のニュアンスがそのまま鮮烈に表現されています。

柑橘酒といえば、一般的には、砂糖や香り、アルコールを人工的に加えるものがほとんどですが、当園の果実酒は一切の添加物を加えておらず、アルコール度数も6％と低めです。甘い果実酒(リキュール)とは異なり、すっきりした味わいになっています。

お召し上がり方

グレープフルーツ、文旦、伊予柑、3つの個性が混ざり合いお互いの良さを引き出し合っています。爽快な香りと程よい酸味もある口当たりの良い仕上がりで、食前酒、食中酒と幅広くお愉しみください。

酵母が生きているため取り扱いにはご注意ください。

「柑橘MIX果実酒」は、亜硫酸不使用、非加熱、無濾過、無添加のデリケートなお酒です。

・酸化防止剤無添加のため、14度以下で保存をお願いします。

・輸送中に揺られ、瓶の中は不安定な状態です。商品到着後は2、3日程度休ませてください。

・無濾過のため、澱が沈殿する場合があります。
フランスではシャーベットにも使用される澱。それをたくさん入れた状態で醸造しています。
試飲の際には、2～3日は立てた状態で冷蔵保管。澱が下部に沈殿している状態でまずは試飲。そのあと、ゆっくり拡散してから再度お楽しみください。

・酵母が生きているため、瓶の中で発酵がすすみ微炭酸になる可能性があります。

泡が出るがそれが特徴。自然本来の形に近い自然農法で栽培された柑橘の活発な酵母の働きから。

■1974年　東京生まれ

■1997年　明治大学理工学部卒業、同年ボルドー大学醸造学 DNO（醸造士コース）入学
■1999年　同大学を中退、ボルドーBTSA（醸造栽培上級 技術者養成校）に入学、2001年同資格取得
■1999年〜2002年　ギガル社でエルミタ ージュ地区栽培長
■2002年〜2006年　ドメーヌ・ティエリー・アルマンの栽培長を務める
■2002年　ラ・グランド・コリーヌ社を設立、フランスにおける日本人の個人ワイナリーのパイオニアとなる
■2013年　『ニューヨーク・タイムズ』（世界版）に取材を受け、世界の一流レストランでワインが採用される
■2016年　帰国。ラ・ グランド・コリーヌ・ジャポン社を立ち上げ、岡山県で葡萄栽培とワイン醸造を開始
■2021年　一般社団法人おかやま葡萄酒園 を設立
■現　在　日仏でワインづくりのコンサルティングを行う

■訳 書「実りの言葉」（ラ・グランド・コリーヌ・ジャポン、2017年）
■著 書「大岡弘武のワインづくり　自然派ワインと風土と農業と」（エックスナレッジ、2021年9月）