自然が織りなすレイヤー

福岡正信自然農園が大切にする化学農薬・化学肥料・除草剤を一切与えず、自然環境に限りなく寄り添った”自然農法”。商品規格という概念に縛られない自然から授かった不揃いな温州蜜柑を有効活用しました。私たちにとって馴染みがある甘みと清涼感が印象的な温州蜜柑を使用しているため、多くの方に親しみやすい味となっています。そんな蜜柑を皮ごとプレスしているため、甘み・苦み・酸味が一体感となった自然が表現されている一瓶です。

自然への尊厳を大切にする自然派ワイン醸造家に託す

柑橘王国・愛媛の穏やかな気候風土の中、農薬・化学肥料を一切使わない自然農法で、50余年を重ねた果樹。樹が本来持つ力で育った柑橘は、土壌や育つ場所の個性、天候の一期一会が醸し出す自然と風土の“成りもの”です。

そんな柑橘を使用して、賞味期限に左右されない商品を作りたいという思いから果実酒へのプロジェクトがスタート。葡萄ならまだしも柑橘果汁のみで醸造した果実酒は、世界のどこを見渡しても存在しませんでした。そんな私たちの無謀とも言える夢を託したのが、本場フランスでも高い評価を受け、世界の一流レストランも認めた自然派ワイン醸造の第一人者である醸造家/大岡弘武氏でした。同園を拓いた初代の福岡正信の哲学に深く共感しており、大岡氏のワイン醸造にその哲学が多大な影響を及ぼしていると知ったからでした。

限りなく自然であること

私たちの商品創りには、いつも「自然」というキーワードが存在します。

自然を一言で表現するには非常に難しい側面がありますが、私たちは人為が極力介入しない状態を自然と呼んでいます。反対に、あれこれ考えて加えることは不自然に繋がると考えています。

そのため、私たちの自然派果実酒には、醸造アルコール・保存料となる亜硫酸・ラベルへの表記義務がないアルコール度数を上げる糖類などは、一切使用していません。また、濾過（ろか）さえしていません。限りなく手を加えず、シンプルを基本にしているからです。もちろん原料に関しても、有機もしくは化学農薬・化学肥料・除草剤不使用を優先的にすることは説明するまでもありません。

自然派果実酒を美味しく召し上がっていただくために

前述したように、シンプルがゆえに何も加えないで誕生した私たちの自然派果実酒は、残念ながら温度変化に弱いです。そのため、14度以下で冷蔵保存してください。また輸送中の揺れで、瓶の中の酵母は不安定な状態になっています。そのため、召し上がっていただく2～3日程度は冷蔵保存で安定させてください。

グラスへ注ぐ際は、ゆっくりと。飲み始めは上澄みをいただき、次に拡散した澱（おり）も一緒にどうぞ。フィルター濾過をしていないため沈殿している澱は、フランスではシャーベットなどに利用するようです。ストレートや炭酸・牛乳割りなど、さまざまな飲み方でお楽しみいただけ、毎日飲んでも飽きのこない味わい。チョコレートやバニラと一緒に。チキンソテーとの相性も良い。

大岡 弘武　プロフィール

■1974年　東京生まれ

■1997年　明治大学理工学部卒業、同年ボルドー大学醸造学 DNO（醸造士コース）入学
■1999年　同大学を中退、ボルドーBTSA（醸造栽培上級 技術者養成校）に入学、2001年同資格取得
■1999年〜2002年　ギガル社でエルミタ ージュ地区栽培長
■2002年〜2006年　ドメーヌ・ティエリー・アルマンの栽培長を務める
■2002年　ラ・グランド・コリーヌ社を設立、フランスにおける日本人の個人ワイナリーのパイオニアとなる
■2013年　『ニューヨーク・タイムズ』（世界版）に取材を受け、世界の一流レストランでワインが採用される
■2016年　帰国。ラ・ グランド・コリーヌ・ジャポン社を立ち上げ、岡山県で葡萄栽培とワイン醸造を開始
■2021年　一般社団法人おかやま葡萄酒園 を設立
■現　在　日仏でワインづくりのコンサルティングを行う

■訳 書「実りの言葉」（ラ・グランド・コリーヌ・ジャポン、2017年）
■著 書「大岡弘武のワインづくり　自然派ワインと風土と農業と」（エックスナレッジ、2021年9月）