個性的で特徴的な味は、加工向き！？

むっむっ！？？？

そんな心の声が聞こえてきたのは、私たちがじゃばらを少し口にした時でした。いままでたくさんの柑橘の甘み・酸味・苦みを体感してきた私たちにとっても、新しい世界が広がった瞬間でした。酸味の中に独特の苦みと香り。新しい素材に出会った時のワクワクがたまらなく好きな私たちの心に、ふつふつとチャレンジ精神の火がつきました。

いままで私たちは、世界マーマレードアワード受賞（イギリス・ダルメイン）に至るまでに、数えきれないほどのマーマレードを炊いてきました。へら1本と銅鍋だけで、ひたすらマーマレードと向き合ってきた中で分かったことは、柑橘を食味した時に美味しい時期はフレッシュのままで、収穫時期には少し早く酸や苦みが印象的な時期のものは加工に適しているということです。酸や苦みが際立っている時期の方が、加工した時にその特徴を出しやすいと感じています。ただ、今回私たちが手にしたじゃばらは、そのままで十分個性が際立つものでした。

希少なじゃばら物語

普段聞きなれない品種である”じゃばら”。元々は、和歌山県北山村で昔から生活に根付いていた食材。「邪気を祓（はら）う」が語源で、村では昔からお正月に欠かせない縁起物の食材として重宝されてきたようです。酸と個性的な苦みがありますが、種が少なく果汁が多いため様々な用途に使用されています。愛媛県でも少量ですが、じゃばらの栽培が確認できます。

じゃばらには、アレルギー反応を抑制する効果があるため、花粉症・アトピー性皮膚炎・気管支喘息などⅠ型アレルギーと言われる症状に良いと言われています。特に、果皮の部分に抑制物質が多く含まれるようです。昔からその地に根差した食材であることからも、守るべき品種であることは間違いないですね。

好奇心も原動力

園主である福岡大樹は、新しい品種や好奇心を駆り立てる植物には胸の高鳴りが抑えられません。日ごろから自然や植物を愛するがゆえの、簡単な理由からに他ならないからです。そして、じゃばらもその一つでした。自然は、決して単一ではなく、様々な多様性がレイヤーとなり、そして時には幾重にも交わり合うことで誕生するものであると信じています。自然を解るためには、多種多様な植物を理解することが何よりの近道。そのため農園では、出荷される以外のたくさんの植物が園地に寄り添っています。

栄養素が詰まった外皮も、たっぷりと楽しめる贅沢マーマレード

昔から柑橘の外皮は、陳皮（ちんぴ）という名で漢方薬として使用されています。健胃、去痰、理気、消化不良、食欲不振など私たちの健康にとても近い存在です。じゃばらの外皮も前述したような効能が期待出来るのは、嬉しいサプライズですよね！

フレッシュさを残すため一つずつ手むきした実と皮を、丁寧さを心掛けながらじっくりと炊き込んでいます。出来る限りシンプルに、そして美味しくを大切にした結果、手間を惜しまないことが一番の近道だと気づきました。そういえば私たちのマーマレードは、クリアーで透明感があるような見栄え重視ではありません。なぜなら栄養素なども考えて、甜菜糖（てんさいとう）やブラウンシュガーを使用しているため、どうしても濃い色になってしまいます。

私たちは、お客さまに直接マーマレードをご提案する機会に恵まれた時、今までの経験からのマリアージュをお伝えします。ただそれ以上に、マーマレード好きのお客さまから素敵なレシピやアイデアを頂戴することも多いです。今回は、少しだけご紹介いたします。

クリームチーズへのトッピング

料理の隠し味として

肉や魚料理のソース

アルコールと合わせてカクテルに

マーマレードをより一層楽しんでいただけるオプションをご用意

マーマレードご購入の際、オプションとしてカトラリーのご購入が可能です。マーマレードと合わせてギフトとしてもご利用いただけます。この機会に是非、ご検討ください。

このカトラリーの商品化は、モッタイナイ精神からいつも厄介者扱いされる竹を利用出来ないか！？からのスタートでした。竹は、しなやかさと強堅を併せ持ちます。竹の持つ力強さを最大限に利用しながら、機能性を有したデザインを大切にしました。ジャムを塗った後でも卓面に触れず汚れないスプーンとナイフ。瓶の底に残ったマーマレードを最後まで取り出せるように、瓶の形状や角度を考慮した設計になっています。日常の中に山や自然を感じるクラフトブランド・HIROKI FUKUOKAとして丁寧にお届けしたいという想いから誕生したカトラリーです。

カトラリーについて詳しくはこちら
https://f-masanobu.jp/product/cutlery_knife-spoon/